詩羽のいる街 / 山本弘

詩羽のいる街

詩羽のいる街

すばらしい!! うちの近くの○教堂を数件回ったのだけど、どこにもなかったので、こないだ都内の某大型書店まで出向いて買ってきたのだが、もっと早くに入手すべきだったな。もう一気に読むのがもったいないので1章ずつちびちび読んでたんだが、読み終わっちゃった。これだけ面白いと、何かこの本の内容について語るのが悪なのではないかと思っていしまうなあ。
何がすばらしいって、現実的に存在しうるんじゃないかという感覚が。ぜんぜん別世界とか、物理的に存在し得ないとか、そういうのじゃなくて、普通は持ち得ないだろうけど、もしかしたらそういうものを持ちうる人がいるんじゃないかという幻想。どこかに何かチャンネルがズレて…というか重なってしまって、そういう現象が起きるんじゃないか、とか。ということで、「すこし不思議」文脈でいけば充分以上に SF してる。作中にあふれるセンス・オブ・ワンダーはほんとにもうたまりません。とても美味しゅうございました。

ちなみに、著者による解説がある。読了後にお勧め。ノージャンルな参考文献のいくつかの理由がわかります。それにしても山本氏ネットみてるなあ。この辺のネタについてこれる人には相当面白いんだけど、裏の小ネタがわからないと、このあたりの感覚がつかみにくいのかもしれないと思ったりして。