読了

フラットランド

フラットランド

読み始めてから「度胸星」だ「度胸星」! と思っていたら訳者後書きに触れられていた。この手の話って、なんとなく理屈ではわかっているけど感覚的に捕まえられないんだよなーと思っていたのだが、感覚で捕まえられないのは当たり前なんだよね3次元の人なんだから。付録に書いてあるとおり、そもそも 3 次元にいる人の感覚で自然に捉えられる空間のものの考え方を一つ飛び抜けて抽象化・一般化した多次元空間というのを持ってくるまでにだってかなりの時間がかかってるわけだし。

で、フラットランドの話は確かに異なる「次元」「空間」の例示としてとてもわかりやすい。ものすごい量の注釈がついていてなんだこれはと思ったのだけど、この注釈がないと、歴史的背景とかを踏まえた上での著者の考え方とか、変なところでつまづかなくていいようになっているのがすごいというか、まあよくこんなこと調べ上げるものだと。ブールとかウェルズとか有名人つながりの話とかおもしろいよねえ。
最後についている付録がまた読み物としてとてもおもしろい。そもそも自分だって大学にいたときに多次元世界の運動を見ていたわけで、それが 4 次元の幾何学、とか言われた瞬間に ?? になっていたのだけど、そういう理解のギャップがあったところにこう橋渡しをされるような感覚がおもしろかったな。ただやっぱり思うのは、本当に多次元の「空間」を理解したいのだったら、何らかの数学的形式を経由しないといけないんだろうな、という気がする。

ドボク・サミット

ドボク・サミット

マニアック。だけどなんだろうこれは。なぜかわからないけど惹かれるものがあって、なぜどういうところに惹かれるのかについて何らかのヒントが言及されてくる。潜在的に持っている表現し難い形に何らかのラベリングをされるような話だった(という書き方は曖昧すぎるか…)。