読了

さよなら、ジンジャー・エンジェル

さよなら、ジンジャー・エンジェル

帯の「ミステリー」ってあたりはどうなんだろうとは思いながら。妙なルール設定が一瞬ブギーポップシリーズを彷彿とさせる。いやそんなこともないか。ほっと一息つくような感じ。

去年はいい年になるだろう

去年はいい年になるだろう

これはまた何というか、ここまで身を削った作品も珍しいんじゃないか。どう書いてもネタばれるなあこの本……。

まあいいか。

これはきっと、『「作品に過去の自分が投影されていることを見て苦悩する自分」を見て苦悩する自分』がいるんだろうなあ。榎本俊二的「セカンド自分」「サード自分」をSF的古典フレームワークに自分の持ちネタと一緒に突っ込んで徹底的にもがいてみましたみたいな勢いがすばらしい。その性格上、山本さんの過去作品とかそういう周辺知識がある人には大変に面白いな。痛々しいところとか、下手すると露悪的ともとれるようなところもあるけど…まあフィクションだしね。それだけ真っ正面から書いてあるというのはすごいなと。

バレエ・メカニック (想像力の文学)

バレエ・メカニック (想像力の文学)

"SFが読みたい" のコメントを読んでいて気になったので。いやーこれきもいわ。すごい。これは、何をどう言っていいのかわからん。とにかくぶっ飛んでたし、ぶっ飛ばされた。「想像力の文学」と銘打ってこれが出ているというのはよくやったものだと。まいった。

相変わらずいい感じに悪意がにじみ出ていて面白かった。もうあの装置からしてメタミステリというか既にミステリじゃないか。いや、そういうところでミステリって言ってるんじゃないってことな。装置。問題はそこではない。

工学部・水柿助教授の逡巡 (GENTOSHA NOVELS)

工学部・水柿助教授の逡巡 (GENTOSHA NOVELS)

工学部・水柿助教授の解脱 (GENTOSHA NOVELS)

工学部・水柿助教授の解脱 (GENTOSHA NOVELS)

水柿シリーズ、実は「逡巡」を買いそびれていたらしい。でもいざ買ってみたら読んだことがあるようなないような話だった。まあ別なところで似たようなコメントを読んだんだろう。MLAとか。それにしても、幻冬舎の新書ってどこに行っても新刊しか置いてないんだよな。既刊そろえてあるところがなくて結局古本屋で買っちゃったよ。まあそんなの愚痴ってもしょうがない。文庫買えって話なんだろうけど、3冊の真ん中だけ文庫で最初と最後が新書っておかしいじゃないか。(といったって誰に見せるでもなし、シリーズ入り交じって買ってたりするものだってあるのに今更何を言っているのか。これは誰に突っ込んでいるのだ。)
常識とか世間一般の見解って自分のやりたいこととは本来全く別個のものだよね、とか、自由になるってどんなことなんだろうね、とか、知らず知らずのうちに縛られたり何かを背負い込んでいたりすることがあったり知るんじゃない? みたいな、牛丼の紅ショウガみたいな、そういう本。シャーベットにつくウェハースよりは存在感があるかな。ちょっと目先を変えるためのヒント。