読了: レジデント初期研修用資料 医療とコミュニケーションについて

レジデント初期研修用資料 医療とコミュニケーションについて

レジデント初期研修用資料 医療とコミュニケーションについて

medtoolz の人の本で、そこまで本職の医者向けじゃなさそうな本が出ていたので購入。これ、内容は医療関係者・医師向けではあるけど、そのほとんどが「サービス提供者と利用者」という形で読み替えても大丈夫だろう。というか、特定のワードを機械置換するだけで "SE と顧客" くらいまでの文章に変換できるのではないかとすら思う。仕事の帰りの電車で読んでいたのだけど、読んでいるとあれこれ仕事のこととか派生して考えてしまってなかなか読み進まない。

個人的に特におもしろかったのが "2章: 問題を受け止める" の「ダメージコントロール」の考え方かな。「受容可能侵襲量」とかねえ。初仕事とかシステムトラブルとかでテンパって真っ白になってる新人とか見てるとすごくよくわかったりする。最近 Fibre Channel の話とかあったりしたのでバッファクレジットの仕掛けとか輻輳制御みたいな話を連想した。そりゃ通信ってコミュニケーションだもんね。"6章: 医療ミスの起きるメカニズム" は失敗学関係の本と併せて読みたい。「機械モードと人間モード」とか、「必要な無駄・冗長性」とかシステム運用に関わった人なら確実に心当たりがある。"8章: 抑止力を運用する" なんてまさに顧客から/への行き過ぎたサービスや要求が発生しないようにどうコントロールをしていくかというはなしだったりして、それこそ Inernet Service Provider が SLA とか作って頑張ってるところをどう運用していくのか、じゃないかとか。iDCでコロケーションサービスとかしてると、顧客リクエストとかシステム構成制約とかでどうラインを引くかで苦労してる人結構いるんじゃないのかな。

まあ、medtoolz さんのブログ読んでていつも思うけど、医者とSEでこんなに考えることが似通っているのかと。SEは医者的なことをしているし医者もエンジニア的なことをしているのか……

などなどいろいろ考えるネタ満載。やっぱり1冊目の方も買うかなあ。