読了

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)

これはまたずいぶんとこれまでのと毛色が違うな。前半はどうも取っつけなかったんだけど後半からぐっと面白くなった。このへんの特殊設定もので思い浮かべるのは個人的には上遠野浩平/事件シリーズかなあ。事件シリーズも全部は読んでないや。

箱庭図書館

箱庭図書館

乙一名義は久しぶりな気がする。「小説化の作り方」「ワンダーランド」とか黒い陰を含めつつ「青春絶縁体」みたいな鮮やかさで詰めてくるという、らしい品揃え。最後の「ホワイト・ステップ」にある、微妙ですこしふしぎ系なすれ違いと意思疎通の形は、後書きにあるとおりいかにも乙一的。色とりどりで面白い短編連作だったな。

TOKYO BLACKOUT (Tokyo Sogensha mystery frontie)

TOKYO BLACKOUT (Tokyo Sogensha mystery frontie)

これは。密林さんが気配を読んでおすすめしてくれたのでぽちったのだが、3.11以降に読むとまたうけとりかたの変わりそうな本だね。地震による原発停止、電力網の崩壊、輪番停電、東京大停電……。2008年かこの本。震災以降に読むととても生々しい。とはいえ現実は一部この小説の中身を超えてしまっているところがあるわけで、いまの状態が如何にとんでもないのか…とも思う。
あと、インフラ屋さんの心意気を表現してくれてるのが個人的にはぐっとくるねこれ。