読了

無限論の教室 (講談社現代新書)

無限論の教室 (講談社現代新書)

「無限について、何かイメージ、おありですか?」
「一番大きい量のことでしょうか」
「それ、それはですね、一番愚劣な答えです」

先生と二人の学生の対話で織り成される無限論講義.自己言及と対角線論法パラドックスの話がなんちゃらかんちゃら,ゲーデル不完全性定理がどうのこうの.対話が面白いので厄介な話でも割と抵抗なく読んでいける.
ミルカさんシリーズとか好きな人はぜひ読んでみるべし.
じつはいま,

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版

買って読んでるのですが,内容的に結構被るものもあるのでこっち読んでる人にもお勧め.お勧めといっても三分の一ほど読んで停滞中なんだけど.まあじっくり読もう.


数学者の言葉では (新潮文庫)

数学者の言葉では (新潮文庫)

前半,学問と文化の当たりは学生のうちに読んどけば良かったなあ.今年に入ってから,学生のうちに読んでおけばよかったと何回書いただろうか.学問を志す人の性格条件とか,大学院生の感じる不安とか,確かに,と納得できること書いてありました.
院生の不安に関する記述は自分も感じたから実感としてわかる.テーマの価値に対する不安,能力に関する不安,目標を本当に達成できるかどうかわからない不安,将来に対する不安…….結局俺は折れてしまったけどね.いま,圏外に立って振り返ってみると,もうちょっとやってみても良かったんじゃないかと思う.何かをやってもまったく手ごたえがないときは本当に苦しいんだけど,きっかけをつかんで何かに没頭したときの,自分の限界を超えたような集中状態の感覚ってたまらないんだよね.ああいうのはもう長いこと味わってないなあ.この先また体験することはあるだろうか(自分しだいだろうけど).