読了

年末休み消化分。

ネットワークウォリア ―戦う管理者のための知識とテクニック

ネットワークウォリア ―戦う管理者のための知識とテクニック

読みきったわけじゃなくて部分的にだけど。基礎的なネットワーク機器の解説から始まっているのだが、サブタイトル "Everything you need to know that wasn't on the CCNA exam" と書いてあるくらいなので Cisco 機器による実装例で書いてある。本当にスイッチ・ルータ基礎から各種プロトコルや通信技術などL1-L3までのところだけでなく、ロードバランシングやQoSなどL7よりの部分まで幅広くカバーしていて、最初の一歩としてはとても入りやすい本だと思う。あとCiscoスイッチのアーキテクチャの解説なんかがあってその辺は使えそう。こういうスイッチおよびルータ技術とアーキテクチャを総括した本だと改訂新版 Cisco Catalyst LANスイッチ教科書があるけど、これをもっと詳しくした感じかな(Ciscoの本はCisco思想に寄っているので、中立的なポジションから書いてある本のほうが読みやすいような気がする)。あと"教科書"より優れている点として、ネットワーク設計の部分にIP設計、NTP、障害など運用面での使える示唆が載せられていること。最終章「苛立ちの回避」なんて人間的要素としてこういうことをしなくちゃイカンよ、という部分まで押さえてあるのがとても好印象だった。

失敗は予測できる (光文社新書)

失敗は予測できる (光文社新書)

いろんな実例を示しつつ、失敗を予測し、予防するには何をしていかなければならないのかを考える。失敗がどのように分類できるのか、そこにどのような仕組みがあるのか、どうすれば失敗を避けられるのか…、凄くわかりやすく書いてあって素晴らしい。あとがきにかいてある "Engneer Disasters" という番組がニコ動にある気配だった(全部ではない)のでちょっと見てみようと思う。

エピデミック

エピデミック

単純に保管場所の都合でハードカバー本は自粛していたのだが、川端氏の本ってなかなか文庫落ちしないようなのでもう諦める。
アウトブレイク小説ってことででこういうのを読んでいると映画"アウトブレイク"を思い出してしまう(重なるところもある)が、今回は「疫学」をテーマにしているというところが一味違う。ここで出てくるフィールド疫学の考え方って凄く実地的で実用重視で、こういうことをするのかと感心。あと「元栓をひねる」とか「確率密度の雲」とか独特の言い回しも面白かった。考え方が新鮮でよかったなあ。緊急時においてどのように事態をコントロールするのか、というところだと障害対応にあたるSEなんかと被るところがあったりするかな……と思ったり思わなかったり。