読了

ようやっと落ち着いて本を読めるくらいになった。

この2〜3ヶ月で出た本は買ってはいるもののさっぱり読めていないのでこれからちゃんと読まねば。さてどれから手をつけるかと思って一番上に積まれているのからにする。

喜嶋先生の静かな世界 (100周年書き下ろし)

喜嶋先生の静かな世界 (100周年書き下ろし)

久しぶりの新作…と思ってタイトルを見たらどこかで見たことがある。やっぱりまどろみ消去 (講談社ノベルス)に入ってた「キシマ先生の静かな生活」だった。いま見たらもとは 30 ページくらいの短編なんだよね。すごく好きな一編だったので、あの話がこういう小説になるのか、と。……というより、いま書き下ろしで長編を書くとしてあの短編をもう一度書き直すのか、というのが感慨深かったかな。
短編でも長編でもやっぱりこの話で描かれる「静かな世界」は大学である程度の研究生活をした人なら本当にあこがれるし恐ろしいよね。俺が見たのはほんのわずかなイメージだっただろうけど、それでもやっぱりあこがれたし、それ以上にあきらめもした。何かに入り込むときのあの陶酔感とか、あるいは自分のポジションが見えてきたときの感覚とか、日々の不安感とか、読んでてあの頃のいろんなものが浮かんでくる。いま読んでていてそういう感覚が想起されることが何故かうれしかった。
なんというか「らしい」本だった。ずっと一貫してこういうの書いてきてるよね。高校生とか大学生あたりにおすすめ。


コレはちょっと前に読んでた。インターミッション、という感じだけど、やっぱり考え方が面白いねこのシリーズ。といって中身を書くとネタバレるので書くのはやめておくか。