千里の道も?
具体的にどうこうというわけではないのだけど、ちょっと関連して引っかかるというか琴線に触れるものがあったのでまとめておく。なんとなくひらめいた、という程度なんだが。
これを読んで思い出したのがこれ。
「考える」という言葉を非常に安易に使っている人が多いと思う。学生に「考えてきたか?」と尋ねると、「考えましたが、ちょっと良い案を思いつかなくて」と言う。「じゃあ、悪い案を幾つか見せなさい」と言うと、きょとんとした顔で、「いえ、悪い案も思いついていません」と言う。「考えましたが、まだ、ちょっとまとまらなくて」と言うから、「では、まとまらないものを見せて下さい」と言っても、たいてい見せてもらえない。
MORI LOG ACADEMY: 本当に考えたの?
こういうのは、僕の場合「考えた」とはいわないのである。
(中略)
多くの人が言う「考えた」というのは、「考えようとした」のことらしい。同様に「悩んだ」も「悩もうとした」である。否、たとえ考えようとするだけでも、100時間くらい考えようとしていれば、なにかは実際に考えるだろうし、そして、考えれば、なにかは思いつくだろう。きっと具体的な案がいくつか出てくるはずだ。ほんの一瞬だけ考えようとしたくらいで「考えた」なんて言わないでほしい。
沢山の具体案を考えることは、無駄なようでけっして無駄ではない。採用されなかった案が、その人の将来の持ち駒になるからだ。
もうひとつ、これ。
すぐに役立たないものが、無駄なものとは限らない。むしろ、いつ役にたつかわからないものを追いつづけ、考えつづけるという、人の、このふしぎな衝動こそ、いつか新しいものを見つける力になるのだろう。
- 作者: 上橋菜穂子
- 出版社/メーカー: 新潮社
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