Knowhow

ノウハウの蓄積は大切ですよ.と,俺の近傍で素の Emacs を使っているあの人に言ってやりたいがな.良くそんな使いづらい状態でやってるもんだと逆に感心する.

「弘法筆を選ばず」という言葉がありますが、これは弘法大師クラスになればこそでしょう。一般人にとっては、良い道具を使いこなして生産性を上げるという道筋が理にかなっています。 ---- 工藤智行 :「UNIXプログラミングの道具箱」,技術評論社,2004.

情報系の学生ということで身近な話をすると,ノウハウの蓄積に関しては二極分化してるような気がする.色々とツールを使いこなして,100の仕事を50で済ますために60の時間をかけてでもツールを探す・調べる・作る人と,手元にあるほとんど必要最低限のツールだけでやたらキーボードを叩きまくっている人*1

前者はそうやってどんどん情報やノウハウを蓄積していくんだけど,後者はごく少ない,特定のツールの使い方しか知らない(それも基本的な部分だけの場合も多い)ということもよくある.後者はさらに,不便に思っているのだが解決策を知らない・もしくは調べていないので,という人と,特に不便に思わないという人がいる.不便に思わんのかと聞いてもいや別になんて答えられるとね.こっちの気が抜けてしまう.

これもディジタル・ディバイドっちうやつなのかなあなんて思ったりもするけどそれはたぶん誤用しているのだろうな(意味分かってない).ただ,どう見ても明らかに無駄な手間かけてるのにそれを不便に思わん人がいるんだ.こんな不便なこと,絶対誰かいい道具を作ってるはずだ,とか考えない人がいるんだ.世の中不思議だよねえ.

*1:よく周期的に同じキーボードの音が続くという特徴があります.