読了

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

"メシアの処方箋" を読んで生物工学関係の話って良くわからんなあというのがきっかけで購入。遺伝子の話から入って「動的平衡」というところへ向かうのだけど、合間合間に学術的な話題から学術史、世相、研究生活までおりまぜつつ、読み物としてとても入りやすい本だった。

老舗(この本では創業100年以上の企業として規定)というとずっと同じ商売一筋、というイメージなんだけど、この本ではそうではなくて、変わり続ける老舗、上の本のイメージを借りれば「とどまるために変化し続ける」とてもダイナミックな老舗について取り上げている。まずはじめに、日本の老舗事情から入っていったりするんだけど、へぇーそうなんだ、というような話がいろいろあってなかなか楽しめた。

重力ピエロ (新潮文庫)

重力ピエロ (新潮文庫)

伊坂作品が面白いので適当に手に取ってみたら主人公が遺伝子関係の仕事、という本を取るあたりきっとついてるんだと思い込んでおきたい。重くてどうしようもないものが見え隠れしながらも、どうにもテンポが良くて最後には救いを入れてくる。面白かった。

太陽の簒奪者 (ハヤカワJA)

太陽の簒奪者 (ハヤカワJA)

そしてまた野尻さんですよ。"沈黙のフライバイ"でもコンタクトものを書いていたけど、それでこうも印象が変わるものかね。これ映画とかにならないのかなあ。"沈黙〜" もそうだけど、とにかく「知りたい」というのが印象的。

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

あのミルカさんシリーズが本に、となると買わないわけには行かない。数学の一番ファンタスティックな感覚を懇切丁寧な解説つきで読ませてくれるというのは素晴らしい。まったく無関係に見えるものが突如ひとつに融合して新たな事実を作るという天才的なひらめきを、しかも読んでいて話の流れ自体を損なわず、よくこんなにわかりやすく途中の導出を書くものだ。