読了 / 理性の限界

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)

ディスカッション形式で人間理性の限界とは何ぞや? というお話をする。
なんだこの登場人物の幅広さは…
司会者、会社員、数理経済学者、哲学史家、運動選手、生理学者、科学社会学者、実験物理学者、カント主義者、論理実証主義者、実験物理学者、論理学者、シェイクスピア学者、大学生A、国際政治学者、フランス社会主義者、フランス国粋主義者、心理学者、情報科学者、急進的フェミニスト、映像評論家、ロマン主義者、法律学者、科学主義者、科学史家、方法論的虚無主義者、相補主義者、ロシア資本主義者、数学史家
もちろん議論の中核をなす人物も茶々を入れるだけの人物もいるわけだけど、ここまでの振れ幅を持って扱われるお話ですよ、というのを書いておこうかと。そして会社員のひと理解力ありすぎ。

「アロウの不可能性定理」「ハイゼンベルク不確定性原理」「ゲーデル不完全性定理」についてのお話。不可能性定理の話はこれで始めて知ったけど、面白いね。こんなのがあるってことすら知らなかった。不確定性原理は有名だし前にも見たことはあるけど、相補性解釈のところでどうにも煙に巻かれてる感がぬぐえないんだよな。
そして不完全性定理。説明うまいなあ。ゲーデル本って本当にゲーデルのやった仕事の話のところに絞る本が多いんだけど、ゲーデル後のこと、スマリヤンとかチャイティンとかの話にまで及んでいるのが面白かった。好奇心をくすぐるネタが多くてとても楽しめた。
この辺の本はもう2〜3冊買ってあるのがあるけど、なかなか手がつけられない…。つか、いまだにGEB本も読みきれてないし。